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任意調査と強制調査の違い
税務調査には、大きく分けて「任意調査」と「強制調査」の2種類があります。
それぞれの調査には目的や手続きに違いがあり、対応方法も異なります。
本記事では、「任意調査」と「強制調査」の違いについて解説します。
任意調査とは
任意調査とは、税務署が納税者に対して行う一般的な税務調査です。
納税者の協力のもとで進められます。
任意調査の特徴
任意調査の特徴は、主に以下が挙げられます。
・通常、事前に調査の通知がある
・納税者は調査に協力する義務(受忍義務)があるため、拒否するとリスクを伴う
・申告内容に誤りがあった場合は修正申告を求められる
任意調査の対象
任意調査は、法人・個人を問わず、税務申告に疑義がある場合や定期的な確認のために実施されます。
特に、以下のケースでは調査対象となる可能性が高くなります。
・申告内容に不自然な点がある
・取引金額が大きく変動している
・以前の調査で指摘を受けた経歴がある
強制調査とは
強制調査とは、重大な脱税が疑われる場合に、国税局査察部(いわゆるマルサ)が行う調査です。
裁判所の令状に基づき、納税者の意思に関係なく強制的に実施されます。
強制調査の特徴
強制調査の特徴は、主に以下が挙げられます。
・裁判所の令状を取得したうえで実施される
・事前通知なしに突然行われ、拒否できない
・調査の結果、悪質な脱税と判断されると刑事告発される可能性がある
強制調査の対象
強制調査の対象となるのは、主に悪質な脱税が疑われる企業や個人です。
以下のようなケースでは、強制調査の対象となる可能性が高くなります。
・長年にわたり故意に所得を隠している
・架空の経費計上や売上除外を行っている
・多額の資産を無申告で海外に保有している
任意調査と強制調査の違い
任意調査と強制調査の最大の違いは、「納税者の協力が前提かどうか」という点にあります。
ただし、任意調査の場合も実質的に拒否することは難しいです。
まとめ
税務調査には、納税者の協力が前提の「任意調査」と、強制的に実施される「強制調査」があります。
任意調査は一般的な税務調査であり、適切な対応を行えば大きな問題にはなりません。
一方、強制調査は悪質な脱税が疑われる場合に行われ、刑事告発につながる可能性もあります。
調査を受けた際には、専門家である税理士に相談して適切に対応することが重要です。